調神社 浦和のつきのみや

浦和の調神社へ参拝

御祭神
天照大御神(あまてらすおおみかみ)
豊宇気毘賣神(とようけひめのかみ)
素盞嗚尊(すさのおのみこと)

(※表記は由緒書のまま)

参拝は12月上旬だったのですが、まだ七五三の参拝者でにぎわっていました。
調神社の人気の高さが窺えます。

氷川三社に興味のある方はこちらをクリックしてください。
(別のウィンドウで開きます)




調神社へのアクセス

JR浦和駅から徒歩10分程度

浦和駅の西口は歩くだけでも楽しいところ。
もちろん写真はない。

地名の超個人的考察

〒330-0064 埼玉県さいたま市浦和区岸町3丁目17−25

調神社はさいたま市浦和区の岸町にある。
』にある『町』からこの地は、かつて川か海に隣接していたと考えられる。

後述するが、調神社は稲などの調物(みつぎもの)の倉庫群にあった。
ということは、調神社からそれらをどこかへ送り出したということにもなる。

調物を運搬する際に、遠方に送る際はもしかしたら水路(海路)を使ったのかもしれない。

調神社は謎がたくさん

さて、この調神社ですが、
謎がたくさんある神社として(一部にはきっと)有名な神社です。

Q1
そもそも読み方は?

A1
つきじんじゃと読むのです。
初見だと読むのはまずムリかと。
租庸調から来ているそうです。
というのも、調神社から伊勢の神宮に調物(みつぎもの)として稲を送っていたそうです。

Q2
狛犬が見当たらないんですけど・・・。

A2
安心してください。
代わりに狛兎がいます。

ちなみに手水舎も

ウサギです。
ウサギの特徴である長い耳の所在が不明のためカピバラにしか見えませんが、ウサギです。

境内には先代の狛兎もいらっしゃいます。

当代も先代も子どものウサギを連れているので、じっと見ていると心が和みます。

Q3
あれ、神社にあるあれがないんじゃ・・・。

A3
この調神社にはなんと鳥居がありません
厳密には摂末社にはあるのですが、調神社にはないのです。

調神社の入り口。
鳥居の代わりか、両端に石柱が建てられています。

他にも
調神社には蚊がいない・・・
なんてものもあったりするのですが、この謎は私が身をもって検証した結果、否定されています。
めっちゃ刺されたし。

このように様々な謎のある調神社へ、早速参拝です。

調神社本殿

御祭神
天照大御神(あまてらすおおみかみ)
豊宇気毘賣神(とようけひめのかみ)
素盞嗚尊(すさのおのみこと)

あらためて祀られている神様です。

天照大御神はご存知の方も多いはず。
伊勢の神宮の内宮(ないくう)に祀られている皇室の祖先神であり、日本人の総氏神でもあります。

豊宇気毘賣神はよくわかんない? という方も多いかと。
伊勢の神宮の外宮(げくう)に祀られていて、天照大御神の食べ物の用意をする神様です。
そこから食物を司る神様とされていると思われます。

素盞嗚尊は大宮にある武蔵一宮氷川神社に祀られている須佐之男命のことです。
興味のある方は武蔵一宮氷川神社と須佐之男命をご覧ください。
お名前の表記が違う理由は不明です。

本殿(拝殿)は立派です。
それほど規模の大きな神社ではないのですが、昔から人々の信仰が篤かったことを思わせる佇まいです。

調神社の摂社・末社

調神社は摂社と末社の区別がわかりません。
ですので摂末社と記載します。

境内には参拝できる摂末社が3つあります。
ですが参拝はできないのですが、拝殿の中には他にも摂末社があるようです。
(以前の旧本殿を除いて)
その参拝できない摂末社こそ個人的には興味があるのですが、参拝できないものはやむ得ません。

・稲荷社(旧本殿)

御祭神
倉稲魂命(うかのみたまのみこと)

写真の左手に見える社殿は、旧本殿の建て替え時の仮社殿です。
旧本殿は数年前に現在の姿になったのです。

稲荷神社ですので祀られている神様は倉稲魂命です。
須佐之男命と神大市比売の子どもとされている神様です。

そしてお名前に『稲』の字が入ってるように、五穀豊穣の神様です。

調神社は由緒書きにもあるように、稲を収める倉庫群の中に建てられたとされています。

そしてその稲 = 調物(みつぎもの)を搬入するのに鳥居がじゃまであったため、鳥居をなくしたそうです。
当時の人々も意外と合理的だったんですね。

また旧本殿とあることから、
もともとはこちらが本殿であったことが推察されます。

ちなみにこの旧本殿へは瓢箪型の池を渡って参拝できるのですが、

そこにもやはりいらっしゃいます。

ウサギです。
いつ来ても勢いよく水を吐き出しておられます。

・調宮天神社

御祭神
菅原道真公

つきのみやてんじんしゃ、と読むようです。
なんでも地元の方は調神社を『つきのみやさん』と呼ぶそうです。

祀られているのは学問の神様として有名な菅原道真公です。
ですので傍らにはたくさんの絵馬が奉納されています。

・金毘羅(こんぴら)神社

御祭神
大物主神(おおものぬしのかみ)

奈良にある大神(おおみわ)神社に祀られている神様です。
また大己貴命(大国主命)と同一神ともされています。

実はこちらの金毘羅神社の参道には鳥居があります。
ですのでもともと調神社の摂末社としてあったのでなく、合祀されたのだと思われます。

・舞殿(ぶでん)

干支の絵が飾られています。ステキです。

調神社の超個人的な考察

この調神社もまた稲作に関わりの深い神社です。
先日の武蔵一宮氷川神社と稲作つながりの神社と言えるかもしれません。
須佐之男命も祀られていますし。

しかしそれよりも個人的に気になっている点が他に二つあります。

一つ、
須佐之男命と天照大御神が本殿に一緒に祀られていること。

日本神話や歴史に詳しい方はご存じかと思われますが、須佐之男命と天照大御神の関係は良好であったとは言えません。
それは二柱の神様の関係だけではなく、当時のヤマト朝廷と出雲といった点でもです。

その二柱の神様がなぜ一緒に本殿に祀られているのか?

もっとも、姉弟神ですので一緒に祀られていてもおかしなことではないんですけどね。
むしろ一緒に祀られている方が、個人的にはいいのではないかなと思ったりもします。

もう一つ、
『つき』神社なのに月夜見尊(つくよみのみこと)が祀られていない。

月夜見尊といえば、天照大御神と須佐之男命の姉弟神です。

日本語にはたいてい複数の意味があります。
時代を遡るほどその傾向が強いと言えます。

狛兎がいらっしゃることからも、調神社が『月』と関わりが深いことが推察されます。

そもそもは租庸調の『調(つき)』の音が『月』と同じだから、月を連想させたという説があるそうです。
そして月といえばウサギ、ということで狛兎となった。

これももちろんあり得ることです。

しかし個人的に、この調神社が月夜見尊と関わりがあるように思えてなりません。
本殿に天照大御神と須佐之男命が一緒に祀られているのですから、
月夜見尊も一緒に祀られていてもおかしくないのではないでしょうか?

月夜見尊は謎の多い神様です。
その謎の一端を解く鍵が、もしかしたら調神社にあるのではないかと夢想する毎日です。

余談ですがまったく話題になっていないアニメがある

昨今アニメによる町興しが流行っています。
それに便乗したものの、
まったく話題になることのなかったアニメがあります。

それこそが
浦和の調(うさぎ)ちゃんです。

そのタイトルのとおり、調神社が舞台の一つとなっているようです。
調神社の向かいのコンビニには、以前浦和の調ちゃんのパネルがあったはずです。

しかし!
まったく話題になりませんでした。
(もしかしたら私の知らないところでめっちゃ話題になっていた可能性もある)

浦和は繁盛しているみたいなので、わざわざアニメで町興しをしなくてもいいんじゃないかと思ったりしますが、
アニメによって浦和がさらに繁盛するのも見てみたい気もします。

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