睦神社① 武蔵浦和は山が好き

登山の前の参拝がよいかも? 武蔵浦和の睦神社

御祭神
木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)

むつみ神社とよむそうです。(写真は富士社)
ちなみに睦神社というお名前の神社はないようです。

実はこちらの神社、あることから個人的には興味深い神社だと思っています。
そのあることとは・・・

山に関係のある神社が多数境内にあるのです!




睦神社へのアクセス

JR埼京線 武蔵浦和駅から徒歩10分以内

睦神社のご紹介

こちらの睦神社ですが、

元々白幡(さいたま市南区白幡)の村社であった富士社(富士浅間社)に10の神社を合祀したとあります。
現在の境内には10もの社はありません。

ちなみに睦神社のお名前に改称されたのは明治四十四年のことだそうです。
お名前にはどのような由来があるのでしょうか。

睦神社の神社と境内のご紹介

睦神社は小高い、というより、切り立った崖の先端にある、と表現すればよいでしょうか。
ゆえに

鳥居へと続く階段はかなり勾配があります。
ちなみに境内の奥から住宅地に抜けられるのですが、そこは平坦です。
ですので切り立った崖の先端に立っているかのように思えるのです。
おそらくこのような土地に建てた(厳密には移動した)のは理由があると思われますが、それは後ほど。

階段を上り切ると

それほど広くない空間なのですが、広く感じる境内が広がっています。
どの神社も同じ方向を向いて横に並んでいるのが特徴的です。

それではまず、鳥居の正面の神社からご紹介です。

富士社(富士浅間社)

御祭神
木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)

たいへん有名な神様かと。
もうお名前だけでたいへん美しい神様であることが想像できます。

このはなさくやひめ。

美しいなかにも柔らかな温かさがある。
とても美しい神様に違いありません。

それもそのはず、
なにせあの瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が見初めた神様ですから。

瓊瓊杵尊といえば鷲宮神社のご紹介の際にお名前の登場した神様です。
天照大御神の御子神であり、天孫降臨で芦原中つ国に降り立った神様です。

その瓊瓊杵尊が天孫降臨された後、見初めた神様が木花咲耶姫命なのです。
とても美しい神様だったのでしょう。

もっとも、瓊瓊杵尊と木花咲耶姫命が結ばれる話は愉快なものではありません。
木花咲耶姫命のお姉さんである石長姫(いわながひめ)のことや、
木花咲耶姫命の出産のことなど、よろしくない話があるからです。

ですがこの話は長くなりますので、また浅間神社に参拝することがあった際にでも。

三峰神社

御祭神
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)
伊弉册尊(いざなみのみこと)
三峰神社ホームページまま)

富士社の右隣にあります。

三峰神社といえば奥秩父にある神社。
白いお守りが有名みたいです。浅田真央さんが持っていたとかなんとか。
そして空手の大山倍達さんが修行をされたことでも有名です。

また犬の神様(狼=大神?)と関係があるようです。
そのためか、境内を犬が散歩していました。首にクマよけの鈴をつけて。

そう、実は私も一度参拝したことがあるのです。
奥秩父の山の中に奥宮があるのですが、そちらにも参拝させて頂きました。
途中岩山を鎖で登る箇所があったりと、エキサイティングな参拝でした。
もちろん写真はない。

いま話題の三峰神社。
でも奥秩父まで行くのはたいへん、というさいたま市近郊にお住いの方。

睦神社に三峰神社がありますよ!

稲荷神社

御祭神
稲倉魂命(うかのみたまのみこと)

ちょっと見づらいですが、真ん中の神社です。

阿夫利神社 八幡神社

阿夫利神社 御祭神
大山祗大神(おおやまつみのおおかみ)

八幡神社 御祭神
応神天皇 (誉田別命 ほんたわけのみこと)

二つの神社が合祀されているようです。神額(扁額)にそうありました。

阿夫利(あふり)神社といえば、大山阿夫利神社が有名かと。
阿夫利神社の御祭神の大山祗大神(おおやまつみのおおかみ)はお名前のとおり『山』の神様であり、
木花咲耶姫命のお父さんでもあります。

こちらの睦神社は木花咲耶姫命と大山祗大神の親子が祀られているのです。

八幡神社の御祭神は応神天皇です。
何度かご紹介させて戴ているので、今回はご紹介は留めておきます。

睦神社のここが興味深い

さて、
すでにお気づきの方も多いかと思いますが、

睦神社にある神社は山と関わりのある神社ばかりなんですよね。

もう一度どご紹介していくと

富士社(富士浅間社)

もちろん富士山です。

三峰神社

奥秩父三峰山です。

稲荷神社

お稲荷さんの総本社は京都の伏見稲荷大社
伏見稲荷大社はテレビなどでよく見ることがあるかと思いますが、実は伏見稲荷大社は山です。
稲荷山という標高の低い山自体が境内なのだと思われます(たぶん)。
ちなみに私は伏見稲荷大社に参拝し際、稲荷山も一周させて頂きました。
奇跡的にそのときの写真がありました!

伏見稲荷大社のよさが1ミリも伝わってこないですね。

阿夫利神社(八幡神社)

阿夫利神社といえば大山阿夫利神社。

神奈川県の大山ですね。

以上のように、それぞれの神社が『山』と関わりの深い神社なのです。
もっとも稲荷神社の稲荷山はやや強引で、八幡神社はあまり関係ないですが。

さらに、
睦神社の神社はすべてほぼ同じ方向を向いて横一列に並んでいます。
まるでそこから山々を望んでいるかのように。

神社の向いている方向は南西(南南西より)なので、武蔵浦和から富士山と大山を望む方角と言えなくもありません。
ただちょっと南寄りなんですけどね。

さて、
なぜこちらの睦神社はこれほどまでに『山』と関わりの深い神社ばかりなのか?

偶然でしょうか。

おそらくこれには理由があると思われます。

それは埼玉から富士山を見ることができるからです。
天気のよい日はJRの埼京線の車窓からもわりときれいに見えます。

きっと昔から人々は、遠くに望む霊峰富士に様々な思いを寄せていたのだと思います。

その名残が、武蔵浦和にある睦神社にあるのかもしれません。

神池と巨大な剣

こちらの睦神社ですが、もう一つ興味深いものがあります。

鳥居の左手に

神池があります。
右手に見える階段からも境内へ進むことができます。

こちらの神池でかつては

三・三一メートルにもの巨大な木製の太刀を池に立てて、雨乞いの行事が行われていたとのことです。

巨大な剣・・・。
心をくすぐる響きです。

一度実物を見てみたいですが、見られるものなんでしょうか?

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