武蔵国の守り神 社殿が北向きの大國魂神社に参拝

武蔵国の守り神 社殿が北向きの大國魂神社に参拝

御祭神
大國魂大神[おおくにたまのおおかみ]

武蔵国の神社といえば、やはりこちらの大國魂神社ではないでしょうか。
以前参拝させて頂いたことがあったのですが、今回あらためて参拝させて頂きました。

こちらの大國魂神社は武蔵国の国府があった場所に鎮座されているようです。
しかも現在の地名が府中市という・・・。


大國魂神社ホームページより引用)

神社にはあらゆる側面があり、政治色や軍事色の強い神社もあると個人的には考えています。
こちらの大國魂神社は、まさに政治色や軍事色の強い神社と言えるのではないでしょうか。
国府にあるということから政治色が、
そして社殿が北を向いているということから軍事色の強さが窺えます。

今回は政治的にも軍事的にも興味を惹かれる、大國魂神社をご紹介させて頂きます。




大國魂神社へのアクセス

京王線府中駅から徒歩5分ほど
JR武蔵野線府中本町駅から5徒歩分ほど

すぐ近くに東京競馬場があるぞ!

いざ、武蔵国の守り神である大國魂神社に参拝

こちらが大國魂神社の境内図。


大國魂神社ホームページより引用)

大鳥居から参道を進んで随神門へ

大國魂神社の大鳥居へは京王線の府中駅からの方が近いです。
JRの府中本町駅からだと、大國魂神社の側面に出てしまいます。
せっかくですので、大鳥居からご紹介です。

ちなみに、
大國魂神社の境内図が見たいという方は、大國魂神社のホームページをご覧ください。
境内図はもちろん、御祭神や御由緒、摂末社至るまでたいへん分かりやすいホームページです。

大國魂神社のホームページはこちらをご覧ください。

こちらが大國魂神社の大鳥居。

写真が賑やかなのは、この日に大國魂神社の酉の市(大鷲神社例祭)があったからです。

大鳥居の右手にあるのが稲荷神社です。
御祭神は倉稲魂命(うかのみたまのみこと)と思われます。

大鳥居をくぐると、

格式に相応しい参道が伸びています。
普段は整然とした参道も、この日は賑々しい感じでした。

参道を進むと左手に見えてくるのが、

宮乃咩神社(みやのめじんじゃ)です。
たいへん立派な社殿です。

御祭神は天鈿女命(あめのうづめのみこと)。
瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の天孫降臨に同伴し、後に猿田彦命(さるたひこのみこと)と結婚された神様です。
また、天照大神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸にお隠れになった際、天岩戸の前で踊ったことからか、芸事の神様として信仰されていたりもする神様です。

参道を進むと、随神門が見えてきます。

・・・酉の市の影響で賑々しいですね。

随神門の右手に由緒書きがあります。

随神門をくぐると、いよいよ中雀門を越えて本殿(拝殿)です。

大國魂神社の本殿(拝殿)のご紹介

御祭神
大國魂大神[おおくにたまのおおかみ]

大國魂神社の拝殿はたいへん立派で荘厳なため、写真に収めるのがたいへんです。
この大きさだけ見ても、格式の高い神社であることが分かります。

さて、
大國魂神社の本殿(拝殿)は北を向いているんですよね。

神社の本殿(拝殿)の向きは、多くは南向きです。
東や西を向いていることもありますが、基本的に太陽の光の指す方向を向いてます。

しかし、
稀に本殿(拝殿)が北を向いている神社があります。
そして本殿(拝殿)が北を向いている神社というのは、意図的に北を向いている場合があります。
(現代の道路事情等により北を向いていることもあると思われます)

本殿(拝殿)が北を向いている有名な神社といえば、大國魂神社と鹿島神宮ではないでしょうか。
そう、鹿島神宮も意図的に本殿(拝殿)が北を向いています。
(香取神宮の奥宮や上野にある下谷神社も北を向いている)

本殿が北を向いている神社に興味のある方はこちらをご覧ください。

それでは、
なぜ大國魂神社や鹿島神宮の本殿(拝殿)が北を向いているのか?

それは、

当社は、永承6年(1051年)に南向きであった社殿を源頼義が北向きに改めました。
これは、朝廷の権力が届きにくい東北地方を神威によって治めるという意味がありました。

通常、神社は南か東を向いています。古くから「天子南面す」と言われるように玉座は南、太陽の方角を向いていました。
神様も同じように南を向くのが多いようです。この他、御祭神に関係する方角を向いていたり、太陽の出る方角等各社の由緒によって向きを決めた神社もあります。
大國魂神社ホームページより引用)

といった理由だそうです。
確かに鹿島神宮や香取神宮の奥宮の場合、この考え方が当てはまりそうです。

大國魂神社の本殿の御祭神

本殿の御祭神の大國魂大神[おおくにたまのおおかみ]は、大国主命(おおくにぬしのみこと)と同じ神様とされています。

大国主命といえば、出雲を治めた神様として、現代の出雲大社の御祭神でもあります。

また、
大国主命(=大己貴命)は須佐之男命(すさのおのみこと)の子孫とされている神様でもあります。
ですので、出雲系の神様と括ることもできます。

やはり武蔵国は、大國魂神社といい、武蔵一宮氷川神社といい、鷲宮神社といい、出雲系の神様によって統治されてきたと考えられます。

厳密な大國魂神社の本殿の御祭神

中殿       大國魂大神 御霊大神 国内諸神
東殿(向かって左)一ノ宮 小野大神 二ノ宮 小河大神  三ノ宮 氷川大神
西殿(向かって右)四ノ宮 秩父大神 五ノ宮 金佐奈大神 六ノ宮 杉山大神

とのことです。
六所宮もいつか参拝させて頂ければと思います。

大國魂神社の本殿の周囲の摂末社のご紹介

大國魂神社の本殿の周囲には多くの摂末社があります。
また中には立派な社殿を持つ摂末社もあります。

本殿から反時計回りに摂末社をご紹介させて頂きます。

住吉神社・大鷲神社(おおとりじんじゃ)

住吉神社御祭神
表筒男命(うはづつおのみこと)
中筒男命(なかづつおのみこと)
底筒男命(そこづつおのみこと)

大鷲神社御祭神
大鷲大神(おおとりのおおかみ)

こちらの住吉神社も大鷲神社も、現在の大坂にある神社が御本社のようです。

摂津国一之宮住吉大社と、

和泉国一之宮大鳥神社ですね。

これまで週末ただたかでご紹介させて頂いた大鷲神社の御祭神は、日本武尊(やまとたけるのみこと)か天日鷲命(あめのひわしのみこと)でした。
しかし大國魂神社の大鷲神社の御祭神は大鷲大神(おおとりのおおかみ)となっています。
天日鷲命と同じ神様ですかね?

東照宮

御祭神
徳川家康公

巽神社

御祭神
市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)俗に弁財天

巽神社とはどのような神社なのでしょうか?
御祭神が市杵嶋姫命であることも気になります。

松尾神社

御祭神
大山咋命(おおやまくいのみこと)

大山咋命(おおやまくいのみこと)はお酒の神様としても有名です。
ですので社の脇にお酒が奉納されているのでしょう。

水神社

水波能売命(ミズハノメノミコト)
加茂別雷命(カモワキイカズチノミコト)
玉依姫命(タマヨリヒメノミコト)
加茂別建角身命(カモワキタケヌミノミコト)

坪宮(つぼのみや)

御祭神
兄多気比命(武蔵国初代国造)

ちょっと本殿から離れたところにあります。

こちらの坪宮には参拝できていないのですが、後から知って「参拝したかった!」と悔やみました・・・。
御祭神の兄多気比命は武蔵国初代国造のようです。

出雲臣天穂日命の後兄多気比命が武蔵国造に任ぜられ、以来代々の国造が当社に奉仕せられ、その国造の霊を祀った。5月5日の例大祭で御旅所への神輿渡御の折、当社より奉幣を献ずる式は現在でも行われ、是を国造代奉幣式と称する。
大國魂神社ホームページより引用)

出雲臣である天穂日命の後に、兄多気比命が武蔵国造に任ぜられたとあります。

天穂日命といえば、埼玉県が誇る関東最古を謳う神社、鷲宮神社の御祭神でもあります。

天穂日命に興味のある方はこちらをご覧ください。

やはり武蔵国の神社を参拝していく上で、もっと天穂日命のことを知る必要がありそうです。
武蔵国と出雲の神々の関係を掘り下げていくことで、かつての武蔵国の姿と現在の関東圏の神社がつながっていくように思えます。

大國魂神社から見る武蔵国と出雲系の神様とのつながり

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