日本武尊を祀る、松戸総鎮守の松戸神社に参拝

日本武尊を祀る、松戸総鎮守の松戸神社に参拝

御祭神
日本武尊(やまとたけるのみこと)

ここ最近、埼玉の東側の神社に興味を惹かれています。
千葉県や茨城県の神社はとくに興味を惹かれます。

というのも、埼玉(=武蔵国)と現在の千葉や茨城の神社は、似ているようでちょっと違うのです。
言葉ではうまく言い表せないのですが、埼玉の神社(武蔵国の神社)と何かが違う感じがします。

というわけで、
松戸に立ち寄った際に、これ幸いと松戸神社に参拝させて頂きました。

こちらの松戸神社は松戸総鎮守とされる立派な神社です。
本殿(拝殿)はもちろん、本殿と見まごうほどの秋葉神社や、境内にある摂末社もまた、興味を惹かれる神社です。

今回は松戸神社の本殿、秋葉神社、摂末社を含めて、様々な角度から松戸神社をご紹介させて頂きたいと思います。




松戸総鎮守の松戸神社へのアクセス

JR松戸駅から徒歩10分ほど

松戸駅の周辺は賑やかで、歩いているだけで楽しいぞ!

いざ、松戸総鎮守の松戸神社に参拝

早速ですが、松戸神社の大鳥居が気になるのです。

西向きに面した大鳥居から本殿と秋葉神社のご紹介

松戸神社の大鳥居は流山街道に面しています。
そのため写真に収めることができたのは、こちらの範囲でぎりぎりでした。

そしてこちらの大鳥居ですが、西に面しています。


(画像は松戸神社ホームページより引用)

多くの大鳥居は南に面していることが多いです。
しかし大鳥居が西に面しているといったことは、特段珍しいことでもありません。

それではなぜ松戸神社の大鳥居が西面しているのが気になったのか?
大鳥居をくぐった先を見ていけば分かって頂けるかと思います。

大鳥居をくぐると、

整然とした参道が伸びています。

こちらが由緒書き。

参道の先には、

二の鳥居と、その先には坂川をまたぐように橋があります。
本来神社の境内には川と橋があるものだそうです。
川と橋によって、現世(うつしよ)と幽世(かくりよ)を隔てているのだとか。

こちらの松戸神社にも、立派な川と橋があります。

その橋を越えると、正面に見えるのが秋葉神社です。
つまり、
大鳥居の正面に構えているのは秋葉神社なのです。

そして参道の左手に、本殿(拝殿)があります。

参道の幅的に上手く全景を収めることができませんでした・・・。
松戸神社の本殿(拝殿)をご覧になりたい方は、ぜひ参拝してみてください。

さて、
大鳥居の正面に本殿(拝殿)がない神社も多々あります。
(鳥居と正対していない本殿の神社は怨霊が封じられているといった考えもあるようです。個人的にはあまり支持していませんけど)

ですので松戸神社の本殿が大鳥居と正対していないとしても、おかしなことではありません。

ですが、
それでも松戸神社の大鳥居と本殿(拝殿)の配置が気になったのが、

末社とされる秋葉神社が大鳥居と正対しているからです。それも秋葉神社の社殿が、本殿(拝殿)にも見劣りしないほど立派なのです。

これではまるで、そもそもの本殿(拝殿)が秋葉神社のようにすら思えてしまいます・・・。

なぜ松戸神社の大鳥居、本殿(拝殿)、秋葉神社の配置は、このような形になったのでしょうか?
(単純に近年の道路事情により、本来南にあった大鳥居の位置が移動された可能性もある。しかし坂川と橋のことを考えると大鳥居はもともと西にあったようにも思える)

松戸神社の御祭神と御由緒

現在の本殿の御祭神と御由緒

御祭神
日本武尊(やまとたけるのみこと)

第12代景行天皇の皇子で、御名を小碓皇子(おうすのみこ)と申されました。

景行天皇の御代40(110)年、武蔵国へ向かわれる際に、当地にご陣営を設けて従将の吉備武彦(きびたけひこ)連と大伴武日(おおとものたけひ)連の 方々と待ち合わせたため、『待つ郷』(まつさと)=『待土』(まつど)と呼ばれ、『松戸』の地名が生まれたと云われています。
松戸神社ホームページより引用)

御祭神の日本武尊は東征をしたことで有名な神様(人物?)です。
もっとも東征の前に、九州や出雲にも赴いているんですけどね。

さて、
日本武尊の東征のルートは、一般的には現在の三重県にある伊勢の神宮から、愛知県に入り、太平洋側に沿って東京の方まで出て、そこから房総半島に渡り、茨城(鹿島神宮辺り?)に行き、折り返して山梨を経由して朝廷の手前までといったところでしょうか。
(かなりざっくりですけど)

神社の御由緒が考古学的にはほとんど価値がないとしても!
神社の御由緒から日本武尊の東征のルートを想像することができます。
松戸神社の御由緒を信じるならば!
日本武尊は現在の松戸近辺にもやってきたことが考えられます。
(もっとも松戸神社の位置もいろいろと移っているでしょうけど)

秋葉神社の御祭神

御祭神
火之迦具土大神(ほのかぐづちのおおかみ)

火之迦具土大神はお名前のとおり火の神様です。
そこから火防・災害除けの神様とされています。

さて、
松戸神社では、こちらの秋葉神社が大鳥居と正対しています。
また社殿も本殿(拝殿)ほどではなりませんが、立派な社殿です。

現時点ではなんの確証もありませんが、松戸神社の本来の本殿(拝殿)はこちらの秋葉神社であったとも考えられます。

ただそうなると、松戸神社と日本武尊の関係性が分からなくなってしまうんですけどね。

松戸神社の摂末社のご紹介

松戸神社には摂末社が多数あります。
それらの摂末社を参拝させて頂くと、新たなひらめきがあったりもします。


松戸神社ホームページより引用)

まずは、
本殿右手前、秋葉神社の脇にある神楽殿のご紹介。

すがすがしいほどの逆光です。
こちらの神楽殿はたいへん美しいですので、参拝された際にはぜひご覧ください。

そして神楽殿の右手にあるのが御神水です。
本来は飲めないのかもしれませんが、私はふつうに飲みました。

本殿手前の摂末社のご紹介

そしてこちらの奥、本殿(拝殿)手前の参道の脇にあるのが、水神社です。
御祭神は罔象女神(みずはのめのかみ)。
お名前のとおり、水に関係の深い神様とされています。

水神社の反対側にあるのが、
金毘羅神社(写真右)と市の神(写真左)です。
右奥に見えるのは手水舎です。

金毘羅神社の御祭神は大物主神(おおものぬしのかみ)。
市の神の御祭神は神大市比売神(かむおおいちひめのかみ)と大宮能売神(おおみやのめのかみ)。

本殿裏手の摂末社のご紹介

松戸神社の本殿裏手には多くの摂末社があります。
そのご紹介の前に、

本殿(拝殿)左わきにいらっしゃる亀。
表情がなんともいえません・・・。

さて、
本殿裏手の摂末社を右側からご紹介です。

厳島神社(弁天様)。
御祭神は市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)、田心姫命(たごもひめのみこと)、湍津姫命(たぎつひめのみこと)。
お名前の表記は松戸神社に表記のままです。

稲荷神社。
御祭神は宇迦之御魂神(うがのみたまのかみ)。
倉稲魂命(うかのみたまのみこと)と同じ神様です。

庚申神社(右)と浅間神社(左の石碑)。
庚申神社の御祭神は猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)。
浅間神社は木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)。

さらに本殿の左裏手に、

松尾神社(右)と四社(左)があります。

松尾神社の御祭神は、大山咋命(おおやまくいのみこと)と中津島姫命(なかつしまひめのみこと)。
中津島姫命は市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)と同じ神様とされていますが、そもそも市杵島姫命が謎の多い神様です。
なぜ大山咋命と一緒に祀られているのでしょうか?

四社は、
水神社、八幡神社、疱瘡神社(八坂神社)、三峯神社です。

水神社は本殿の手前にもあります。
御祭神は罔象女神(みずはのめのかみ)。

八幡神社の御祭神は、
八幡大神(はちまんおおかみ)と比売大神(ひめのおおかみ)。

疱瘡神社(八坂神社)の御祭神は疱瘡神(ほうそうのかみ)。
しかし、疱瘡神=須佐之男命とあります。
これは前回の守屋総鎮守の八坂神社でもご紹介させて頂いたように、須佐之男命(=牛頭天皇)が疫病除けの神様として信仰されているからでしょうか。

守屋総鎮守の八坂神社に興味のある方はこちらをご覧ください。

三峯神社の御祭神は、
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)。

本殿の北側には松先稲荷神社もある

御祭神
倉稲魂命(うかのみたまのみこと)

松戸神社の本殿の北側へ進むと、松先稲荷神社があります。
こちらを松戸神社の摂末社に含めてもよいのかは分かりませんが、少し興味深い神社ですので一緒にご紹介させて頂きます。

境内には

庚申塔と弁財天があります。

そしてこちらの松先稲荷神社ですが、

鳥居が見当たりません・・・。
こちらの松先稲荷神社もまた、鳥居のない神社と言えるのでしょうか?

鳥居のない神社に興味のある方はこちらをご覧ください。

もっとも、
松先稲荷神社が松戸神社の摂末社であれば、鳥居がなくてもおかしくはないんですけどね。

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