山梨の神社② 笛吹市にある甲斐奈神社に参拝

山梨の神社② 笛吹市にある甲斐奈神社に参拝

御祭神
国常立尊(くにとこたちのみこと)
高皇産霊尊(たかみむすびのみこと)
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)
伊弉冉尊(いざなみのみこと)

前回の甲斐國一宮浅間神社に続き、今回は甲斐奈神社(笛吹市)のご紹介です。

山梨には甲斐奈神社という神社がいくつもあるようです。
お名前から察するに、甲斐の國の神社、ということでしょうか。

興味深いのが、同じ甲斐奈神社であっても、御祭神が違うといった点です。
笛吹市の御祭神は国常立尊、高皇産霊尊、伊弉諾尊、伊弉冉尊ですが、他の甲斐奈神社の御祭神は別の神様を祀っています。

甲斐奈神社。
やはり甲斐の國の神社という意味を持つお名前であり、御祭神から神社のお名前が決まっているようではないみたいです。
これもまた、神社と歴史の一つの形ではないでしょうか。




甲斐奈神社(笛吹市)へのアクセス

甲斐國一宮浅間神社から徒歩20分ほど

公共交通機関でのアクセスは難しいので、レンタサイクルかタクシーがおすすめ。

いざ、笛吹市の甲斐奈神社に参拝

こちらが甲斐奈神社の入り口。

コンビニの裏手にこのように参道が伸びています。

こちらが鳥居です。

背後に連なる山々が美しい。
のですが、残念ながら天気がいまいちでした。
また機会があれば晴れた日に参拝させて頂きたいものです。

鳥居をくぐると、

門があります。
こちらも随神門なのでしょうか?

門をくぐると正面に本殿(拝殿)があります。

本殿(拝殿)の右手前には神楽殿があります。

立派な神楽殿です。

本殿(拝殿)の右手に末社があります。
五柱の神を合祀るとあります。

大神宮・天照皇大御神(あまてらすすめおおみかみ)
疱瘡神・煩大人命
稲荷社・宇迦之御魂(うかのみたまのみこと)
山神社・大山祇命(おおやまつみのみこと)
文殊稲荷社・保食神(うけもちのかみ)

の五社が合祀されているようです。
それにしても、疱瘡神の煩大人命とはどのような神様なのでしょうか?
初めて目にしたお名前です。
疱瘡社から疫病除けの神様と推測できます。
また大人命が『うしのみこと』と読むようで、男神を指すとのことです。
転じて須佐之男命のことなのでしょうか?

さて、
境内にはもう一つ摂末社があります。
本殿(拝殿)の右手奥にあるのが、林部天神社です。

御祭神は天満自在天神(菅原道真公)と日本武尊(天津神)とあります。
ご丁寧に日本武尊に天津神とあるのが少し気になります。

おそらくですが、こちらの甲斐奈神社の辺りを日本武尊が通られたのかもしれません。
(詳細は酒折宮のご紹介の際に)

そしてこちらが大杉の記念碑。
現在は大杉は枯れてしまっています。

また、境内には遊具があったりします。

昔ながらの神社の雰囲気漂うステキな神社です。

笛吹市の甲斐奈神社の御由緒

 甲斐國志所出の社記によれば当社は延喜式内社であり、甲斐國中式内式外大小の神祇を勧請する一国の總社であった。そのため恒例神事、大事の際には奉幣使や宣命使が派遣され、先づ当社にて祭祀が執り行はれ、それから国内の諸社に対して幣帛がわかたれた。天正十年の兵火に焼かれたが、その後再建され江戸時代から戦前まで隆盛を誇ったが戦後、一時人心が離れて著しく荒廃するも近年氏子、崇敬者の熱意で本殿、拝殿、一の鳥居、両部鳥居、神門、神楽殿等次々に再建、改修整備され、旧に復しつつあり、甲斐國の御親神として広く崇敬を受け県内外から多くの参拝者が訪れ社頭は賑ひを得てゐる。また別称が幾つかあり、神祖大明神又は橋立明神や林部の宮とも呼ばれてゐる。
本殿後ろには天然記念物の御神木の大杉があり甲州三大杉の一つに数へられ「橋立の大杉」として地方に知られてゐたが昭和二十八年に枯死したので其の跡に記念碑が建ててある。江戸時代までは祭礼の日に笛吹川東の神主が全て当社に参集して神楽を奏し盛大な祭祀が斎行され五穀豊穣、国家鎮護の祈祷をした。明治四十年村社に指定された。旧時の社領は四石三斗、社地は四百四十三坪であった。橋立、東原、竹原田、金田の産土神である。また宝物として文化財指定は受けてないが竹原田区の語源になったと云ふ相生の二枝の竹と元文年間作の極彩色の内陣用の狛犬二体、御本殿御扉左右に昇降龍の見事な彫刻が現存する。
山梨県神社庁より引用)

笛吹市の甲斐奈神社の御祭神のご紹介

御祭神
国常立尊(くにとこたちのみこと)
高皇産霊尊(たかみむすびのみこと)
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)
伊弉冉尊(いざなみのみこと)

笛吹市の甲斐奈神社の御祭神に共通しているのが、どの神様もとんでもなく偉い神様ということです。
(適切な語彙が浮かばなかったので・・・)

国常立尊(くにとこたちのみこと)は国土生成の中心的な神様とされています。

高皇産霊尊(たかみむすびのみこと)は造化三神の一柱とされています。

伊弉諾尊と伊弉冉尊は日本の国土を作った神様とされています。

このように、
笛吹市の甲斐奈神社の御祭神はたいへん立派な神様ばかりです。
どのような意図を持って笛吹市の御祭神が決められたのかは不明ですが、これほど立派な神々を祀る理由や経緯があったことは推測できます。

それだけ笛吹市の甲斐奈神社が、かつては権威のある神社(寺も含む)だったのではないでしょうか。

現在の笛吹市の甲斐奈神社は、少しさびれた印象を受けます。
しかしかつては、こちらの甲斐奈神社が甲斐國で重要な神社だったのかもしれません。

笛吹市の甲斐奈神社。
参拝させて頂くことで時代の変遷を感じる神社でもあります。

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